お客様の声

三宝化学工業株式会社

常務取締役 河西貴一郎様

今から約8年前、弊社の脱水機を初めてもやし業界のお客様に導入させていただいたのが三宝化学工業株式会社様。
もやし残渣の脱水から残渣の飼料化に至るまで全てが初めてづくしでしたが、同社のお陰でなんとか形にすることができ、またそのノウハウが今の川口精機に生かされています。
今回は、我々の基盤を一緒に作り上げていただいた三宝化学工業株式会社常務取締役河西貴一郎様にお話を聞かせていただきました。

<聞き手=望月浩平(川口精機)>

最初のきっかけは前社長の飛び込み営業でした

        望月

本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。私にできることがあればなんでもご協力いたしますよ。川口精機さんには本当に良くしてもらっていますから。

                             河西常務

  望月

ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです。
早速ですが、まず初めに弊社を知ったきっかけを教えていただけますでしょうか?

先代の社長(現相談役)が飛び込みでひょっこり見えられたのが一番最初のきっかけです。
当時私はあっちこっちに出かけていたので会社にいることが少なかったのですが、その時はたまたま会社に居たんです。
さらには、アポなしの飛び込み営業に来られる方の対応は普段は受付の女性に対応をお願いしているのですが、この時はたまたま私が対応したんですね。

                             河西常務

  望月

我々にしたらものすごく運が良かったんですね。

それで、話を聞いてみると”食品残渣を絞る脱水機”だということで、「あぁ、そうですか」なんて言いながらお話を聞いたのを覚えています。ですが、元々私も自分で残渣処理について色々と調べて、残渣処理のいろんな機械を試しては失敗を繰り返していたという経緯がありました。しかも、御社はもやし業界は初めてだということで「そうは言っても、今までどれもうまくいかなかったし本当にうまくいくんかいな」という思いも頭にはありました。

                             河西常務

  望月

今までどのような機械を試されたのですか?

焼却処分や菌を入れる消滅型の装置、圧力型など何台も試しましたが、なかなかしっくりくるものが見つからなかったんです。

                             河西常務

ただ、私のスタンスとしては何もやらずして判断するというよりは、何か少しでも可能性があるのであればまずはやってみて判断したいという思いがあったので、御社の脱水機もとりあえず試してみようと。

                             河西常務

  望月

最初、我々のスクリュープレス脱水機にどんな印象を持たれました?

製紙業界で使用されているスクリュープレス脱水機は見たことがあったので、最初御社の機械を見た時は「かなりコンパクトだな。本当にこんなで1時間に◯トンとか絞れるの?」というのが正直なところでした。
でも本当にこのサイズでパンフレットで謳っている能力が発揮できるのであれば非常にいいねと思って試したところ、しっかり絞れたのでこれはいいなと。

                            河西常務

残渣の再利用を一緒になって考えてくれた。

弊社は以前から再生利用申請をして、うちのもやし残渣を堆肥として土地改良や道路の樹木の肥料などとして使用してもらっていたのですが、徐々に処理業者様からの要望も次第に高くなり、水分が多いと水が垂れるので絞って欲しいとか、腐敗の匂いをなんとかできないかなど、残渣処理に頭を悩ませるようになっていったんです。

                           河西常務

  望月

今でこそ世の中全体でリサイクルの意識が高まっていますが、8年前だと今ほどリサイクルについて高い意識がなかったように思います。

リサイクルに関して、安定性と低コストの両面を考えないと企業としての将来性がないということは常に考えていました。
そこで御社の脱水機で脱水テストを行ってもらい、牛や豚の飼料として再利用できるようになるのか、またそれができる条件まで絞れるか、をトライしてもらいました。

                           河西常務

結果、飼料化できる条件まで絞ることができ、もやしの残渣が飼料化できるということがわかりました。
しかし、ただ飼料化できることがわかっただけではダメで、それを安定的に供給でき且つ低コストで運用できるようになられければいけない。

                           河西常務

  望月

確かに、毎日出るものですからね。運賃など運用面で費用がかさんでしまっては意味がないですよね。

この課題を解決するために登場したのが、御社の鈴木専務。
専務が御社と繋がりのある飼料化を行っている会社さんと話をしてくださり、もやしを飼料として扱ってくださる農家さんを一から探して、それも安定的に引取が可能な農家さんをいくつも探してきてくれた。

                           河西常務

  望月

もやし自体を餌にする、という試みも全員が初めてだったんですね。

そうなんです。
ここで本当に良かったと思っているのが、この登場人物の中で誰一人「俺らだけ儲けてやろう」というような考えを持っている人がいなかった。その考えが誰か一人でもあればこの話は実現できなかった。皆がwin-winの関係を築くことができた。そういったことも御社と取引させていただく要因になりました。

                           河西常務

余談ですが、この飼料化のサイクルができるようになってからは、地元の小学校の社会科見学に弊社工場が選ばれ、今は地元の小学生に「種からもやしを作り、製品はヒトが食べ、捨てなければならない部分は飼料化し牛や豚の餌になるという」という再利用の循環を実際に目で見てもらいながら伝えさせてもらっています。

                           河西常務

  望月

素晴らしいですね。こう言った環境問題について幼い時から接することは本当に必要なことだと思います。

残渣の再利用が社員の意識も変えた

あとは、「ここから出てくるものはゴミじゃないよ、エサを作っているんだよ。だからここも衛生的にしないといけないよね」ということを社員に言い続けたところ、徐々に社員の意識も変わり始め、それまでは残渣の中に異物混入があったり周辺の衛生面がよくなかったのが、飼料化をするようになってからそのようなことが無くなっていきました。

                           河西常務

  望月

それは素晴らしいですね。

直接的な効果と間接的な副次的な効果はものすごくありました。

                           河西常務

  望月

我々はいつもコスト面からのアプローチしかできなかったのですが、こう言ったお話を聞かせていただくと、我々が想像していなかった部分でお客様の役にたてているんだということがわかりとても嬉しく思います。

本日はいろいろとお話を聞かせていただきありがとうございました!

今回お話を聞かせていただいて、お客様が求めいたメリットはもちろん、それ以外の副次的な効果が得られたという点が非常に嬉しく思いました。
脱水機導入はコストメリットや資源の有効活用というのはわかりやすいメリットですが、社員の意識や地域への貢献というところにまで影響があるということを今回改めて勉強させていただきました。
今後もこのような事例をまた一社でも多く増やしていきたいと思います。

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