スクリュープレス脱水機が会社を救ってくれた

大澤社長が家業を継ごうと決めたのは26歳のとき。当時、製造部の一員として仕事をしていましたが、当時の会社は今とはまるで違う会社だったと言います。
「決して褒められるような状態ではなかった」と大澤社長。
しかし、そこからどのように今のような姿に変わっていったのか。今回詳しくお話しを聞かせていただきました。

17:00ピッタリにタイムカード前に並んでいた

Q、はじめに、社長が家業を継ごうと決めた経緯、その当時の様子をお聞かせください。

A、私が家業を継ぐために弊社に入社したのが私が25歳のとき。
当時は家業を継ぐつもりはなく、どっぷりハマっていた音楽の道で生きられないか模索していました。

Q、製造業とは全く方向の違う道ですね。

A、はい。当時バンドを組んでいて東京のライブハウスとかによく出ていました(笑)。しかも結構本気でやっていて。実はCDも出したんです。

Q、そこから家業への転職とは思い切った決断でしたね。

A、当時は「敷かれたレールなんて乗るか!」と思っていましたが、いざ入社してみると敷かれたレールなんて全くありませんでした。むしろ一歩先は常に崖で(笑)
当時の業績は芳しくなく赤字の連続でした。あの頃は印刷機器や他社製品のOEMがメイン事業でした。

まだ工場も数カ所に分かれていたのですが、各工場で派閥みたいなものがあり、同じ会社の仲間なのに一体感に欠けていて皆がバラバラな動きをしていました。
みんな17:00近くなると、タイムカードの前に並んで17:00になるのを待ってましたから(笑)

Q、今では想像できないですね。どうやって今の姿に変わっていったのでしょうか?何かきっかけはありましたか?

A、きっかけはいくつかあると思うのですが、その中の一つにこのスクリュープレス脱水機があるのは間違いないと思います。このお陰で明確な目標ができ、進む方向が示せたと思っています。

スクリュープレス脱水機DM30

日本全国、車移動で飛び込み営業

Q、先ほど昔のメイン事業は他社の製品のOEMとおっしゃっていましたが、なぜスクリュープレス脱水機を作ることになったのですか?

A、ずいぶん前に私の祖父がスクリュープレス脱水機の原型を購入していたんです。しかしそれを活用することもなく工場の中で眠っていました。そしてある時私がそれを見つけて、何か活用できないものかと考えたのがきっかけです。

Q、これは売れる!といった直感みたいなものがあったのでしょうか?

A、というよりも、当時からOEM以外に自社製の主力商品が欲しいとずっと思っていたんです。OEMはお客様の販売状況によって我々の売り上げも左右されてしまう。全てお客様に委ねてしまっている状態です。それではあまり具合が良くない。自立しなければ生き残れない、という思いが常にありました。
幸いにも、スクリュープレス脱水機は既存の社内設備で生産することができた。なので、これを自社で生産し売ってみようということになったんです。

Q、しかし今までOEMを主軸にしていた自社商品を売るというのは難しくなかったですか?
どうやってお客さんにアプローチしていったのですか?

A、苦労しました(笑)
インターネットで食品関係の会社や組合をひたすら検索しそこに電話や飛び込み営業をかけていました。
トラックにデモ機を積んで先代の社長と専務と私の3人で全国を駆け回りました。北海道から九州まで、とにかく走りました。そして、ひたすら断られ続けました。

Q、一号機はどうやって売れたのですか?

A、本当にこのお客様には感謝しているのですが、岐阜にある三宝工業株式会社様がなんの実績もない我々の機械を試してくださることになったんです。こちらもインターネットで検索しそこからの飛び込み営業というなんのツテもない状態からのアプローチでした。
その時本当に運が良く、三宝さんが脱水機を探されていたんです。
三宝さんはもやしを生産されているのですが、もやしって水分が多く廃棄重量が重いので廃棄コストが大変にかかってくる、夏場は腐敗して匂いもすごい、ということで悩まれていたようです。
そこでうちのテスト機で脱水したらしっかりと絞れてご納得いただけたんです。

Q、その時、廃棄コストはどのくらい削減できる試算になったのですか?

A、具体的な数字は覚えていないのですが、おそらく1/3くらいに削減できたと思います。さらによかったのは、水分をしっかり絞ったもやし残渣は『牛の飼料』にできることがわかり、液体は『豚の飼料』にすることができる。
今までは捨てるだけだったものが、もう一度自然に還元できるようになる。
これも大きかったと思います。

Q、メリットだらけですね(笑)

A、メリットだらけです(笑)
でもうちとしても初めて販売したので、いろんなハードルがありました。
当時は全てが初めてでしたから、機械配置から残渣の投入方法、投入量、残渣の受け取り方など、製造部のみんなんとあーでもない、こーでもないといいながらシステムを組んでいきました。

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