スクリュープレス脱水機の販売を始め良いスタートを切った川口精機も社内にはまだ課題がたくさんあったと言います。
ここからはどのようにして社内改革を行い、チームを一つの方向に向かってまとめ上げることができたのかを聞いていきたいと思います。

新しいことを始めるときは皆の反応は大抵冷ややか。心折れそうな時もあった。

A、当時、川口精機は第3工場まであって、それぞれが少し離れた場所にありました。と言っても自転車で1〜2分の距離なんですけど。
たったそれだけの距離なのに、各工場で派閥みたいなものがあり「俺らは第◯工場の人間」という意識が各工場のメンバーにあって、それが言動に現れていました。各工場単位で偏った結束感があるというか。
各工場単位でまとまっているのは良かったのですが、全体で一つにまとまっているという感じはありませんでした。

Q、それを鈴木専務が全て一箇所に集約しようと提案された?

A、そうです。リーマンショックの影響で仕事量が減少してしまったこともあり、今の本社に各工場の機能を全て集約して全員が一つ屋根の下で仕事をするようにしました。
3つの機能を一つに集約して現場を整理する事、元あった各工場の跡地をどうするのかといった不動産関係の事など、一口に場所を集約すると言っても、それをする作業と労力は相当なものがありましたが、鈴木専務が先頭に立って指揮してくれ、無事工場を一本化して新たなスタートを切ることができました。
鈴木専務には本当に感謝しています。

Q、工場を一本化することで社内に何か変化はありましたか?

A、いつも全員の顔が見えるし風通しは以前よりは良くなりましたが、根本的なところはそれだけでは変わりませんでした。
例えば、今までは各工場がそれぞれ工程管理をしていました。しかも共通のノートや黒板を使って管理しているわけではなく、職人さんの頭の中だけで工程などを組んでいたのです。
それじゃ、生産性もへったくれもない。何がどこまで進んでいてあとどのくらいキャパがあるのかなど、何もわからない状態でした。
そこで私が工程管理表なるものを作って今後はこれで管理をします、と提案したんですね。
そしたら、職人さんたちは猛反対。工程のことを何も知らない若造が何言っているだ、くらいの感じで。
あとは、朝礼も私が提案して始めた取り組みなんですが、これも当初は皆聞いてるのか聞いていないのかわからない感じでただその時間を過ぎるのを待つ、みたいな空気がありました。
自分が熱っぽく語っても暖簾に腕押しのような。

Q、そのような状況でも工程管理表を運用し朝礼を続けてこられたのはどうしてですか?

A、なんだかんだ言ってもやはり結果(数字)は大切だと思っています。数字に変化が現れればその取り組みが正しい方向を向いているのか否かがわかる。
なので、この時から会社の売り上げはもちろん細かい業績を数字で全社員に示すようにしました。
社員に報告する数字が上向いてくるにつれて、皆の反応が少しずつ変わっていきました。
工程管理表に基づいて作業を進めていくようになり、朝礼でもしっかりと話を聞いてくれるようになりました。
確かに、社員からしてみたら、自分たちの仕事がどのくらいの成果を出せているのか、それが会社の業績にどう表れているのかがわからなければ、モチベーションのあげようがない。何を拠り所に頑張ればいいかわからないのも当然です。

スクリュープレス脱水機DM30

先輩社員の人間力に助けられた

Q、社長がそこまで孤軍奮闘で頑張ることができたのには何か理由があるのでしょうか?

A、会社を良くしたい。このままではダメだ。という思いはいつもありましたからそれは原動力にはなっていると思います。
ただ、孤軍奮闘で頑張ってきたという思いはあまりなく(最初の誰も意見を聞き入れてくれないときはそう感じつることもありましたがw)、私は私より社歴の長い先輩社員がいてくれたからこそ自分も頑張ることができたと思っています。
私の思い、考え、方向性を理解し同じ方向を向いてくれる現場のベテラン社員。それを彼らのフィルターを通してうまくその下の社員に伝えてくれる。
社員全員が同じ方向を向けるようになったのもこのメンバーの支えがあったからだと本当に感謝しています。

Q、今は営業と製造がうまく連動してチームが一つになっている印象を受けます。

A、製造部に関していえば、トップの本部長にほぼ決定権を持ってもらっています。
生産管理や人員配置、緊急対応のメンバー選抜など、営業から降りてきた話を一旦本部長に全て投げます。現場のメンバーも全て本部長へ報告することにしているので、そこで情報が一本化され、的確な指示ができるようになります。
ですので、会社では報告・連絡・相談のコミュニケーションを非常に大事にしています。
本部長の性格的にも、先頭に立って皆を先導する親分肌なので、このやり方がとてもフィットしていると思います。
ただ、この方法は本部長にかかる負担が大きく、会社がもう少し大きい所帯になったら、やり方を少し変える必要はあるかもしれませんが、今はこれでうまく回っているんです。
今はありがたいことにメンバー全員フル回転で仕事をしていまして、会社に社員がほとんどいない日がよくあります。
それなのに、不満な顔一つせずに、時には冗談を言い合いながら仕事ができている。これは本当にありがたいことです。

Q、これからどんなチームにしていきたいですか?

A、私の思いや会社の方向性、営業と製造の一体感は今のこの関係にさらに磨きをかけていきたいと思っています。
そして今後やらなければならないのは、「脱アナログ」ですね。
やはり全ての精度を上げていくにはデジタル対応は必須です。最初はアレルギー反応が出る社員もいるかもしれないですが、少しずつでもいいのでそれに慣れていってもらうようにしなければならないと思っています。

Q、今日はありがとうございました。

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