弊社には多くのクラフトウィスキー、クラフトビールメーカー様から麦芽残渣処理のご相談をいただきます。残渣の廃棄処理費用を削減したい、設置スペースが狭いが既設機を動かさずに脱水機を設置したい、1バッチ分が終わったらすぐに次の生産に入りたいので脱水処理に時間をかけたくない、今までは麦芽を脱水しなくても引き取ってくれていた農家さんが今後引き取りができなくなってしまった、残渣の腐敗による衛生面を改善したいなど、相談の内容は様々です。本ページではそれらの実績の中からよくある事例について取り上げご紹介したいと思います。
マッシュタンから排出された麦芽残渣を全量を一次受けホッパーで受け、その後定量的にモーノポンプで脱水機に搬送します。
モーノポンプから送られてきた麦芽残渣を連続的に脱水機で脱水します。この間、人の手を介することはありません。
脱水された麦芽残渣はあらかじめ設置したフレコンバッグに貯められます。1バッグ600kg~700kg入ります。脱水後の麦芽残渣は牛の飼料化が可能です。
マッシュタン下に十分なスペースがない場合は、マッシュタン下の一次受けホッパーを小さくし、脱水機に大きな二次受けホッパーを背負わせ、マッシュタン全量の麦芽を受ける機構にします。
※その他のレイアウトについてもご相談に応じます。
モーノポンプやホッパーなど追加設備を設置するスペースがなく、また醸造所内に常設しておくのが難しい場合、可動式の脱水機をご提案いたしております。
麦芽を脱水機へ投入する作業は手作業となりますが、脱水機を使用しない際は醸造所内の一角に収納しておくことができるので小スペースでもご使用いただけます。小規模醸造所様におすすめです。
<左機種>機種名:DM15(処理量:100kg/時)長さ:1,500mm幅:400mm高さ:1,300mm
<上機種>機種名:DM15(処理量:100kg/時)長さ:1,500mm幅:400mm高さ:1,300mm
人手をかけず手離れよく麦芽残渣処理ができることがスクリュープレス脱水機のメリットです。しかし、そのためにはいくつかのポイントを確認、クリアしておく必要があります。下記にそれらの項目をまとめましたので、事前にご確認いただき、設備導入直後からスムーズな運用ができるようにしましょう。
麦芽の種類や産地、製法によって脱水スピードや脱水効率は変化します。そのため、カタログ表記通りの能力が発揮できるかどうか、事前にテスト脱水されることをお勧めします。
マッシュタンから排出される麦芽を全量受けることが可能なホッパー容量が必要です。容量の少ないホッパーですと、脱水作業中は作業者様が常に機械についていなければならず、手離れが良いというスクリュープレス脱水機のメリットを生かすことができません。
マッシュタンから排出された麦芽はホッパー内で※ブリッジになることが多々あります。ホッパーに攪拌機や洗浄装置を付ける、またはブリッジにならない程度の供給スピードの調整が必要になります。※麦芽が山盛りになり内部に空洞ができてしまうこと
脱水機への投入スピードと脱水スピードが合わないと脱水機側のホッパーが溢れてしまい、その都度運転停止をしたりと、連続運転ができません。すると作業効率が落ち、また作業者が他の作業に従事できません。投入スピードと脱水スピードを合わせることは生産性向上には欠かせない要素です。
飼料化にあたっては、引取先の選定から必要書類の申請、運送会社手配、麦芽への酵素添加や脱気など、対応すべき事項がいくつもあります。これらの体制が整っているか事前確認をお勧めします。弊社ではこれら全てを対応いたしますのでご安心ください。
クラフトウィスキーメーカーとして2015年に創業。生産開始後しばらくして、大量に出る麦芽残渣の処理とその腐敗臭に頭を悩ませていらっしゃいました。そんな折、地元に脱水機メーカーがあるということで弊社にお声がけいただき、弊社スクリュープレス脱水機をご導入していただくに至りました。
立ち上げ当初は抽出後の麦芽処理まで検討する余地が無く、そこに幾らの費用がかかってくるか試算していませんでしたが、いざ製造を開始すると、その量と産廃処理費用にびっくりすることに。
年間でも多額の産廃処理費用を支払うことになり、このままでは利益を圧迫し続けることになってしまうため、脱水して残渣重量を減らし産廃費用を削減するために、弊社にお声がけいただきました。
まずはお客様のところにお伺いし、小型テスト機にて脱水テストを行いました。
ウィスキーはみな麦芽からできていますが、産地や種類、粉砕粒度、使用されている水、その地域の気温などにより、脱水効率が変わってきます。
そのため、我々は必ず事前に脱水テストを行い、減量率や含水率、処理速度を測定させていただき、適切な機種をご提案しています。
今回は1バッチ1.2トンの麦芽残渣処理をご希望で、脱水処理を2~3時間で終わらせたいとのことでしたのでDM25と1.2㎥ホッパー&モノポンプをご提案いたしました。
脱水して水分を減らし、(※薬品も注入していますが)乳酸発酵させることにより、腐敗臭が発生しなくなり、工場周辺の環境も良くなりました。また、麦芽の産廃処理費用はゼロになり、飼料化のためのフレコン&内袋費用のみに抑えられ、導入した機械一式も約2年で償却できました。
※麦芽は牛の飼料として再利用できるため、当社導入先の全てのクラフトウィスキー・ビールメーカー様が飼料化のシステム(エコフィードシステム)を採用されています。
処理能力(kg/h) 400〜600
機械寸法(mm) L:2,298 W:857 H:1,072
電動機 1.5kW×200V AC
材質 本体:SUS304 スクリーン:SUS304 スクリュー:SUS304 その他:標準仕様 SS(別途SUS仕様可)
クラフトウィスキーメーカーとして2018年に創業。可能な限り、省人化することを目的として考えられた製造設備を導入されました。
麦芽残渣の処理は、メタン発酵プラント業者さんへ出す方法で対応されていましたが、想定より多くの処理費用が掛かってしまったため、脱水機を導入して頂くことになりました。
工場計画段階では、当社脱水機も検討して頂きましたが、近隣の業者さんがメタン発酵プラントの原料として安価で引き取りが可能であるということで見送られることになりました。
しかし、立ち上がってみると想定を超える産廃処理費用が掛かってしまうことになり、改めて当社脱水システムと飼料化の採用を決められました。
ケース1とほぼ同じ量の麦芽残渣を処理したいとの依頼を受けました。
すでに稼働されている工場のため、慎重に現状設備の採寸を行い、限られたスペースで収まるように設計担当者が検討した結果、マッシュタン下部に斜めに1㎥のホッパー&モーノポンプ、そのすぐ横にスクリュープレス脱水機DM25を配置するようにご提案しました。もちろん脱水後の麦芽残渣は飼料化することが前提となっています。(社長からの強いご要望もあったため)
年間800万円掛かっていた産廃処理費用は、飼料化用フレコン&内袋、薬品のみの50万円になり、導入した機械一式も2年で償却できました。
脱水せずに処理しようとすると、どうしてもゴミとして扱うことになり、臭気の問題や環境負荷に悩まされることになります。また引き取りしてくれる産廃処理業者さん任せになってしまうため、そのコストが上がったり引き取りが途切れてしまう不安をいつも抱えている状態になります。当社では、飼料化するルートも複数持つことにより飼料として引き取りができなくなる可能性を限りなく低くしています。そのため、お客様は安心して製造に集中できるというメリットもあります。